SF映画史上に残るアイコンといえば、重厚なガルウィングドアを持つスポーツカー、デロリアンだ。なぜドクはタイムマシンのベースとして、経営破綻したデロリアン・モーター・カンパニーの「DMC-12」を選んだのか。劇中での「どうせタイムマシンを作るなら、スタイリッシュな方がいい」という名言の裏には、科学的な合理性も隠されていた。
ボディに使用されているステンレス鋼の構造が、タイムトラベル時の粒子分散を助け、時空の歪みを安定させるという持論をドクは展開している。また、1955年のドクがトイレで頭を打ち、時計をかけようとして思いついた「次元転移装置(Flux Capacitor)」こそが物語の真の心臓部だ。奇想天外な閃きと実車改造の泥臭いメカニック描写の融合こそが、観客の妄想を現実に引きずり込んだ最大の要因だろう。