日本列島は国土の約7割を森林が占める世界有数の森林大国です。南北に長い地形と起伏に富んだ山岳環境は、多様な日本の野生動物を育む揺りかごとなってきました。ブナやミズナラが茂る冷温帯林から照葉樹林帯、亜高山帯に至るまで、階層ごとに異なる生物コミュニティが形成されています。
森の命の営みは、植物を食べる草食動物、それを捕食する肉食動物や猛禽類、そして倒木や死骸を土へ還す分解者たちが織りなす生態系と食物連鎖によって成り立っています。頂点捕食者であったニホンオオカミが絶滅して以降、生態系のバランス維持には人間の適切な介入とモニタリングが不可欠な要素となりました。
2026年最新生息状況に目を向けると、気候変動に伴う暖冬傾向や里山の過疎化が影響し、中型・大型哺乳類の活動域が著しく拡大しています。特にニホンジカ生息地はかつての奥山から標高の高い高山帯、さらには都市近郊の緑地へと急速に広がっており、森林の下層植生を食べ尽くす「食害」や土壌流出の深刻化が全国的な課題として浮き彫りになっています。