格闘技の技術体系において、最も高い決定率を誇るサブミッションが「リアネイキッドチョーク」である。世界最高峰の舞台であるUFCや、日本を熱狂させるRIZIN Fighting Federationの公式記録を紐解けば、一本勝ちの決着パターンで常にトップに君臨しているのがこの絞め技だ。技が完成した瞬間、実況席が「もう逃げられない」と叫ぶのも無理はない。そこには逃れられない解剖学的理由が存在する。
人間の頸部左右を走る総頸動脈。ここへ上腕と前腕で作られた鋭利な三角形が正確にフィッティングした瞬間、脳への血液供給は一気に遮断される。気道を潰して息を止めさせるのではない。血流を止めるのだ。わずか数秒で脳は酸素不足に陥り、視界が途切れ、どれほど強靭な精神力を持つ王者であっても意識を強制終了される。筋力による抵抗すら無力化するこの解剖学的な理詰めこそが、格闘技における最強の切り札とされる所以だ。