現在では日本全国の居酒屋業界で当たり前のように使われている「サワー」という呼称。その発祥の地こそが、1958年(昭和33年)に目黒で産声をあげた「もつ焼き ばん」である。創業者である小泉勝氏は、当時まだ珍しかった焼酎の炭酸割りに、爽やかな酸味を持つ果実を合わせる新しい飲み方を模索していた。
英語で酸味を意味する「サワー(Sour)」から着想を得て名付けられたその一杯は、瞬く間に労働者たちの喉を潤す大ヒット商品となった。その誕生と普及を語る上で欠かせないのが、割り材のパイオニアである株式会社博水社との深い絆だ。良質な炭酸と果汁の相性を徹底的に追求した当時の情熱が、今なお色褪せない名作の土台を築き上げたのである。