設備更新や新規工場立ち上げにおいて、食品工場の排水処理設備の評判を左右するのは「日々のメンテナンスのしやすさ」と「負荷変動への強さ」です。うどん製造ラインでは、製造時間帯や麺の茹で上げタイミングによって、排水の流量と水質が秒単位で激しく乱高下します。
現場で高評価を得ている先進プラントには、共通する3つの設計思想が存在します。
第1に、「的確な前処理と均等化」です。自動スクリーンでの粗ゴミ除去はもちろん、でんぷんの自己沈殿を防ぐ撹拌機能付きの大容量流量調整槽を備えることで、生物処理槽へのショックロード(急激な過負荷)を完全に遮断しています。
第2に、「耐塩性微生物群の活用と遠隔モニタリング」です。塩分耐性の高い特殊バクテリアを種汚泥として定着させ、IoTセンサーでpH、溶存酸素(DO)、酸化還元電位(ORP)を常時監視するシステムは、オペレーター不足に悩む地方工場で絶大な支持を集めています。
第3に、でんぷん資源のアップサイクル回収です。排水から純度の高い生でんぷんを凝集沈殿で物理回収し、飼料原料や工業用糊原料として有償売却することで、排水処理施設を「コストセンター」から「プロフィットセンター」へと転換させた香川県内の先進事例は、業界の新たなロールモデルとなっています。