「〒」マークには、長年ネット上で囁かれているいくつかの誤った説や誤解が存在します。歴史的事実と照らし合わせながら、その真偽を論理的に検証します。
誤解1:「〒は最初からカタカナの『テ』を意図して一本棒を足した」
【判定:半分誤り】 当局が最初に選んだのはあくまで欧文の「T」でした。「テ」というカタカナの意匠説明は、万国郵便連合の料金不足マーク「T」との衝突に気付き、急遽「〒」へ変更した後に付与された後付けの公式見解(レトロフィット)の側面が極めて濃厚です。公文書の日付の齟齬がその決定的な証拠となっています。
誤解2:「海外宛ての手紙に『〒100-0001』と書けば郵便番号として認識される」
【判定:明確な誤り】 「〒」は日本国内専用の特殊記号であり、国際標準の文字ではありません。海外(EMSや国際小包など)宛ての伝票に「〒100-0001」と記載すると、現地の配達員には「何かの記号かアルファベットの誤読」と判定され、機械処理でエラーを吐き出すリスクがあります。国際郵便では記号を省略し、「Postal Code: 100-0001」または単に「100-0001 JAPAN」と表記するのが鉄則です。
誤解3:「顔マークの『〠』はネット発祥の非公式アスキーアート」
【判定:明確な誤り】 笑顔の目鼻がついた「〠」は、1968年(昭和43年)7月1日に当時の郵政省が郵便番号制度をスタートさせた際、大々的なPRのために公式制定した「郵便番号坊や(愛称:ナンバーくん)」が元になっています。公的な歴史を持つ公式マークであり、JIS文字コード規格(JIS X 0213)にも正式に収録されています。