浮世絵の技法や日本の伝統意匠を源流に持つ和彫りは、世界中の愛好家やコレクターから「生きている美術品」として崇められている。龍、鳳凰、般若、牡丹といったモチーフには、それぞれ魔除け、繁栄、忍耐といった深い精神的意味が込められている。
この分野において世界的なリスペクトを集めるのが、横浜を拠点に世界的名声を確立した巨匠・三代目彫よし氏をはじめとする職人たちの存在だ。身体の線に沿って流れるように配置される「背中一面」や「全身彫り」のアウトラインは、皮膚という有機的な媒体を最大限に生かす職人技の結晶である。伝統の重厚さとストーリー性を重視する人々にとって、和彫りは今なお特別な威厳を放ち続けている。