彼女のキャリアにおいて特筆すべきは、国境を超えたコラボレーションへの積極的な姿勢だ。日本映画『太陽は動かない』で見せた息をのむようなスパイ演技は、日本の観客に強烈なインパクトを残した。言語の壁を物ともせず、一瞬の表情変化だけで感情を表現する演技力は、現地スタッフからも絶賛の嵐が巻き起こった。
さらに大きな話題をさらったのが、フランス映画のリメイク作『ロマンチック・アノニマス』での小栗旬との共演だ。極度の対人恐怖症を抱えるヒロインという繊細な役に挑んだハン・ヒョジュ。撮影現場では小栗旬をはじめとする日本のキャスト・スタッフと細かくニュアンスをすり合わせ、言葉の端々に漂う空気感まで計算し尽くされた空間を作り上げた。国籍や文化の差を軽々と凌駕する表現者の意地が、作品の完成度を異次元へと引き上げている。