国民の間で「癒着」の疑惑が最も強く噴出したのが、国の大規模プロジェクトや政策関連の政府事業における電通への委託構造です。特に2026年の新型コロナウイルス感染拡大期に実施された「持続化給付金」事業では、一般社団法人サービスデザイン推進協議会を通じて電通をはじめとするグループ企業へ巨額の予算が再委託されていた実態が発覚し、国会でも激しい追及が行われました。
批判を浴びながらもなぜ電通が選ばれ続けるのか、その決定的な理由は「全国規模の事業を即座に動かせる圧倒的なロジスティクス能力」にあります。全国に張り巡らされたコールセンターの確保、数千人規模のスタッフ動員、ITシステムの構築からテレビCMによる一斉告知までをワンストップで統括できる民間企業は、日本国内において極めて限られています。各省庁の官僚たちにとって、事業の失敗リスクを回避するために「実績とリソースが揃った最大手」に依存せざるを得ない構造的要因が存在しているのです。