「あいつらは大食漢どころの騒ぎじゃない。海の中の宝を根こそぎ持っていかれる」と、地元のウニ漁師は顔を曇らせる。ラッコは体温を維持するために、毎日自分の体重の約4分の1から3分の1にも及ぶ量の食料を消費する。彼らの大好物は、高級食材であるウニやホタテ、カニだ。人間が厳格な資源管理を行い、稚貝を放流して育ててきた漁場は、ラッコたちにとって格好の「バイキング会場」と化してしまった。
特に高級ウニの産地として知られるエリアでは、漁獲量が激減する被害が出ている。1日に何キログラムものウニを消費する群れが定住すれば、漁協の死活問題になるのは火を見るより明らかだ。愛くるしい「海のアイドル」は、漁業者にとっては生活を脅かす「食害動物」という、もう一つの顔を持っている。