近年の失踪事件捜査において、物理的な足取りの解明はデジタルフォレンジックの成否にかかっています。失踪事件のニュースでも報じられる通り、初動におけるテクノロジーの活用が所在特定の決定打となります。
第一の柱は、街頭・商業施設・鉄道駅の防犯カメラによるリレー追跡です。女子高生が自宅を出た直後の住宅街の私設カメラから、最寄り駅の改札、主要ターミナル駅のコンコース、立ち寄ったコンビニエンスストアに至るまで、時刻と服装、所持品(キャリーバッグや特徴的なリュック)を手がかりに、警察の専任捜査班が映像を数珠つなぎに解析して移動ルートを特定します。
第二の柱は、スマートフォン端末の位置情報追跡です。GPS機能や基地局データの捕捉は強力な武器となりますが、端末の電源が切られている場合や機内モードに設定されている場合はリアルタイムの捕捉が困難になります。その場合、最後に通信が途絶えた最終基地局エリアが捜索の重点拠点となります。
第三の柱が、SNSアカウントと利用履歴の精査です。Instagram、X(旧Twitter)、TikTokなどの公開アカウントだけでなく、家族が把握していない非公開のサブアカウント(裏垢)の存在が極めて重要です。ダイレクトメッセージ(DM)のやり取り、失踪直前の検索履歴(「家出 泊めて」「神待ち」「未成年 宿泊」などのキーワード)、位置情報タグ付きの投稿などから、接触していた人物や逃走経路をプロファイリングします。