小泉今日子の生き方を語る上で外せないのが、長年所属した大手芸能プロダクション・バーニングプロダクションからの独立劇だ。2018年、彼女は自ら立ち上げた制作会社「株式会社明日の株式会社」を拠点に、プロデューサーとしての活動を本格化させた。俳優の豊原功補らと共に舞台の企画・製作を手掛け、日本の芸能界における旧態依然としたシステムに風穴を開ける挑戦を続けている。
この前例のない決断の根底にも、実は母親譲りの反骨精神が流れている。寄らば大樹の陰を嫌い、自分の足で立ち、自分の責任で生き抜く。世間からのバッシングを恐れず、自らの信念を貫くその潔さは、かつて厚木の街で泥水をすすりながらも子どもたちを守り抜いた母親の破天荒な生命力と重なる。既存の枠組みに縛られない自由なクリエイティビティは、母から受け継いだ最大の遺産といえるだろう。