東京駅八重洲口の構造を複雑にしている最大の要因は、鉄道事業者間の境界線にある。新幹線インフラを管轄する東海旅客鉄道株式会社(JR東海)と、在来線や巨大駅舎空間を管理する東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の管轄エリアが、八重洲の壁一枚を隔てて密接に隣り合っているためだ。
タクシー降車場は地上に位置しているが、雨天時や猛暑時に威力を発揮するのが、巨大な八重洲地下街(ヤエチカ)を経由するアンダーグラウンドルートだ。地上降車場からすぐのエスカレーターを下りれば、空調の効いた地下街が目の前に広がる。ヤエチカのメインアベニューから「のぞみ広場」を目指せば、JR東海の「八重洲地下中央口」改札がダイレクトに口を開けている。
逆に、地上で降りてそのまま「八重洲中央口」から入ると、JR東日本の在来線改札とJR東海の新幹線改札が並んでおり、初見の旅行者がICカードのタッチミスや切符の投入間違いで立ち往生する姿が後を絶たない。迷いを断ち切る鉄則は極めてシンプルだ。新幹線に直行したいなら「八重洲北口」か「八重洲南口」、在来線特急や山手線への乗り換えなら中央フロアを経由するのが最も無駄がない。