原作者・竜騎士07が仕掛けたシナリオ構造は、当時のアドベンチャーゲーム界隈に地殻変動をもたらした。出題編では逃れられない怪異の恐怖を煽るサイコホラーとして読者を翻弄し、解答編において緻密なサスペンスと人間ドラマへと鮮やかに転換させる。この二段構えのトリックにおいて、狂言回しから当事者へと立ち位置を変える梨花の存在は不可欠だった。
運命は決まりきった一本道ではない。プレイヤー自身が断片的なヒントを拾い集め、惨劇を回避するためのピースを組み立てていく。無力感に苛まれていた梨花が、仲間の変化に気づき、自らの意思で未来を切り拓こうと覚醒するカタルシスは、今も色褪せない叙事詩としての熱量を放っている。