迷信に翻弄された丙午、60年ぶりの巡り合わせが告げる新たな時代

迷信に翻弄された丙午、60年ぶりの巡り合わせが告げる新たな時代

迷信に翻弄された丙午、60年ぶりの巡り合わせが告げる新たな時代に関する話題のニュースを速報でお届けします。最新情報を求める方は必見です。

前回の丙午にあたる1966年(昭和41年)、日本社会は未曾有の集団心理に襲われた。厚生労働省が記録する人口動態統計を振り返ると、その年の合計特殊出生率は前年の2.14から1.58へと垂直落下し、出生数は約46万人も減少した。医学的にも経済的にも近代化を遂げ、高度経済成長の只中にあった日本において、迷信だけを理由にこれほど大規模な出生抑制が行われた事実は世界を驚愕させた。

この極端な波は産科医療業界に強烈な打撃を与えた。1966年は分べん件数が激減して経営難に陥る産科クリニックが相次ぎ、一転して翌1967年には「丙午を避けて産もう」とした親たちの出産が集中し、病棟はパンク状態に陥った。産科医や助産師の労働環境は過酷を極め、計画的な出産が困難だった当時の医療体制の脆弱さが浮き彫りとなった。親たちの中には、子どもが将来結婚差別や就職差別に遭うのではないかと怯え、役所への出生届の日付を無理やり前後にずらそうとする者さえ現れた。

井上 凛
Author

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。