本来の定義において、「タチ」は能動的・挿入側、「ネコ」は受動的・被挿入側を指す。しかし、実生活における力関係や感情のダイナミクスがこの身体的役割と完全に一致するわけではない。「タチだから精神的にも男らしくリードすべきだ」「ネコだから甘え上手で従属的であるべきだ」という固定観念は、当事者たちの間でも長年議論の対象となってきた。
近年、特に存在感を増しているのが、状況や相手に応じて柔軟に役割を変える「リバ(リバーシブル)」だ。独自調査やコミュニティ内の意識変化を見ても、固定的な二分法を避け、対等な関係性を志向する人々が確実に増加している。タチやネコという自認の根底には、性的な嗜好性だけでなく、「相手を包み込みたい」「身を委ねたい」といった根源的な愛情表現のバリエーションが存在する。