幼少期の彼の姿を語る上で欠かせないのが、亡き父・鴨志田穣の存在だ。戦場カメラマンやジャーナリストとして波乱万丈の人生を歩んだ父の血脈は、息子の中にも静かに、しかし確実に受け継がれている。
幼少期には、壁一面に落書きをしたり奇抜な行動で母を脱力させたりと、数々の「伝説」を残した。だが、そうした行動の根底には、既存の枠組みにとらわれない柔軟な感性と、物事をありのままに捉える独特の観察眼が存在していた。父譲りのどこか浮世離れした自由さと、物事に動じない度胸は、大人になった現在のプレッシャーに強い生き方にも色濃く影を落としている。