エンターテインメント界における描写の進化も、当事者の過酷な内面を可視化する役割を果たしてきた。マイケル・ファスベンダーが主演を務めた映画『SHAME -シェイム-』は、洗練された都市生活の裏で性衝動に支配される男の虚無と苦悩を容赦なく描き出し、世界中に衝撃を与えた。また、巨匠ラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック』も、快楽の追求がやがて破滅的な執着へと変貌する過程を濃密なヒューマンドラマとして切り取っている。
近年では、NetflixやHBOといった大手配信プラットフォームが手がける作品でも、単なるスキャンダルとしてではなく、スリリングな心理スリラーの要素を取り入れながら依存症の構造に深く切り込む試みが見られる。画面越しに伝わる主人公たちの苦闘は、視聴者に「これは道徳の欠如ではなく、精神的なSOSなのだ」という強い気づきを与えている。