もしこの物体が引き揚げられ、剣であることが確認された場合、次に待ち受けるのは「本物か否か」という極めてデリケートな議論だ。歴史的事実として、熱田神宮に祀られている草薙剣が「本体」であり、壇ノ浦で失われたのは平氏が皇位の正統性を示すために作らせた「形代(レプリカ)」であるという説が有力視されている。
しかし、当時の朝廷や武士たちにとって、形代であっても天皇の象徴としての価値は本物と同等だった。また、一部の古文書には「壇ノ浦に沈んだものこそが真の神器だった」とする異説も存在する。いずれにせよ、800年以上前の刀剣が関門海峡の泥中から発見されれば、国宝級の発見であることは間違いない。