プライベートに関する関心も高い浅野裕子ですが、彼女自身は私生活を過度に切り売りするスタイルを取っていません。結婚歴や家族構成などの詳細な個人情報は公の場では必要最小限に留められており、そのプライベートを過剰に誇示しない姿勢そのものが、彼女の持つミステリアスな気品を際立たせています。
エッセイの中で語られる日々の暮らしぶりからは、厳選した家具に囲まれた丁寧な生活、四季の移ろいを慈しむ食事、そして一人で過ごす時間を大切にするストイックな一面が垣間見えます。私生活のすべてを明かさないからこそ、作品を通して伝わる思想の純度が高く保たれていると言えます。