プロボクサーとしてのスタートを切った際、那須川天心が選択した戦場はスーパーバンタム級だった。しかし、体格に勝る海外強豪と拳を交える中で、自らの武器であるスピードとキレを最大限に引き出せる適正域の精査が進められた。トレーナー陣による緻密なパフォーマンス分析と実戦データが弾き出した答え、それこそがバンタム級への階級変更である。
単なる減量幅の調整ではない。バンタム級に身を置くことで、彼の真骨頂であるステップワークのキレとカウンターの精度が極限まで高まることが科学的にも実証された。無理な増量による動きの重さを削ぎ落とし、本来のフットワークを取り戻したことこそが転向の真実と言える。