数ある名作の中でも、本作がこれほどまでに語り継がれる最大の要因は、キャスト陣が魅せた奇跡的な化学反応にある。オーディションで一千人以上の応募者の中から選ばれた主演の田中美里。彼女が魅せた瑞々しくまっすぐな演技は、お茶の間の心を瞬く間に掴んだ。
そして何より衝撃を与えたのが、夫・エイスケ役を演じた狂言師の野村萬斎だ。飄々としつつも浮世離れした独特の存在感、古典芸能で磨かれた圧倒的な佇まいは、従来の枠組みを完全に吹き飛ばした。連続テレビ小説の歴史においても、この二人が生み出した夫婦の空気感は極めて異彩を放っている。