出版関係者や文芸評論家の間でも、小川作品に対する評価は一致して「構造設計の美しさとエンタメ性の両立」にあります。
過去の各種インタビューにおいて、本人は「読者がページをめくる手を止められない仕組み」について論理的に語っています。ただ出来事を並べるのではなく、読者の頭の中にどのような仮説が浮かび、それがどう覆されるのかを計算し尽くしてプロットを構築している点が特徴です。
冷徹なまでのロジックをベースにしながらも、登場人物たちの感情の揺らぎや生き様はどこまでも泥臭く、熱い情熱を帯びています。この「冷徹な知性」と「熱い人間ドラマ」の絶妙な配合比率こそが、多くの読者を中毒にさせる最大の要因と言えます。