日本語の文章で同じ漢字や仮名を重ねる際に用いる記号群は、文字が踊っているように見えることから総称して「踊り字(おどりじ・畳字)」と呼ばれます。文字のように扱われますが、文法上はいずれも特定の読みを持たない「記号」です。
代表的な踊り字の正式名称と使われ方を整理しました。
- 「々」(同の字点 / ノま点):「人々」「時々」など、同じ漢字を繰り返す際に使います。カタカナの「ノ」と「マ」を組み合わせた形状に見えることから、印刷現場や文字コードの世界では「ノマ」とも通称されます。単体で辞書を引いても音訓は存在しません。
- 「〃」(ノの字点 / 同じく記号):帳簿や表組みで「上の項目と同じ」であることを示す記号です。英語圏の「ditto mark(ディットーマーク)」に相当し、カタカナの「ノ」を2つ並べた形状に由来してノの字点と呼ばれます。
- 「ゝ」「ゞ」(一の字点):「さゝ木」「いすゞ」など、平仮名を繰り返す際に用いる記号です。濁点が付いた「ゞ」は直前の仮名を濁音化して繰り返します。
- 「ヽ」「ヾ」(カタカナの一の字点):「トヽ」「シヾ」のように片仮名を繰り返す際に使用します。現代の印刷物では目にする機会が減っていますが、古書や固有名詞で残っています。
- 「〱」「〲」(くの字点):縦書き専用で、2文字以上の単語をまるごと繰り返す際に用いる長大な記号です。「益々」を「益〱」と表記するような用途で親しまれてきました。