映像演出のみならず、米津玄師の紡ぐ歌詞の中にも「車」「ハイウェイ」「夜の街を流れるヘッドライト」といったモチーフが印象的なアクセントとして登場します。
自らハンドルを握るドライバーの視点というよりも、助手席や後部座席から流れる夜景を眺めているような、どこか俯瞰的で詩的な距離感が特徴的です。外の世界と遮断された密室でありながら、猛スピードで目的地へと運ばれていく車内の質感は、彼の繊細な心象風景を描写するメタファーとして機能しています。
私生活で車に依存しない生活を送っているからこそ、楽曲や映像の中で車というオブジェクトが持つスピード感や孤立感、美しさを純粋な芸術表現として昇華できていると言えます。