アイドル時代の爆発的な人気を経て本格派女優への道を歩んだ宮沢りえは、スクリーンにおいて唯一無二の存在感を発揮します。その代表例が、2014年公開の主演映画『紙の月』(吉田大八監督)です。平凡な銀行員でありながら巨額の横領に手を染めていく主人公・梅澤梨花を演じ、池松壮亮演じる年下の大学生との濃厚なベッドシーンを熱演しました。
この作品における濡れ場は、単なる視覚的な刺激にとどまりません。満たされない日常から逸脱し、禁断の快楽と背徳感に溺れていく女性の内面を生々しく表現した演技は映画関係者や観客から絶賛を浴びました。肌の質感や息遣い、乱れる視線のひとつひとつに宿るリアルなエロティシズムは、彼女が培ってきた表現力の深さを如実に物語っています。本作で第38回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、名実ともに邦画界の頂点に君臨することとなりました。