多くの人は、松尾芭蕉が突然あの5・7・5を思いついたと考えがちだ。しかし、歴史はもっと泥臭い。ルーツは室町時代に遡る。当時流行していた「連歌(れんが)」という、複数人で歌を繋いでいく貴族的なゲームがあった。これが次第に庶民の間で、より滑稽でユーモアに富んだ「俳諧の連歌(はいかいのれんが)」へと崩れていったのだ。
ルールはシンプル。最初の発句(ほっく)と呼ばれる5・7・5のパートが、のちの俳句の原型となる。つまり、最初は独立した詩ではなく、長い長い連作ゲームの「最初のキックオフ」に過ぎなかったのだ。