「禁断のフグ」を口にできなかった昭和天皇ですが、普段の食卓はどのようなものだったのでしょうか。記録に残る昭和天皇の好物は、非常に素朴で親しみやすいものでした。
朝食にはトーストにオートミール、昼食や夕食にはうなぎの蒲焼き、蕎麦、カレーライスなどを好まれ、特別な贅沢を好むことはありませんでした。一方で、健康管理のための制限は徹底されており、侍医団によって塩分や総摂取カロリーが厳密にコントロールされていました。また、衛生管理の観点から、加熱処理が不十分な可能性のある生ものや、鮮度低下が早い特定の食材にも厳しい目配りがなされていました。昭和天皇の食生活は、決して自由気ままな美食三昧ではなく、常に節制と自己管理が求められる規律正しいものだったのです。