なぜ今、私たちはこれほどまでに自らの心の状態に敏感になっているのだろうか。答えはシンプルだ。外部環境が不確実すぎて、他者や環境に自分の幸福を委ねることがリスクになったからである。リモートワークとリアル出社のハイブリッドが定着し、仕事とプライベートの境界線が曖昧になった現代、ストレスの源泉はかつてないほど多様化している。
周囲の言動に一喜一憂し、他人の機嫌に振り回される生き方は疲弊を招くだけだ。自分の感情を自分でメンテナンスできる人は、レジリエンス(回復力)が圧倒的に高い。彼らは不機嫌を放置しない。機嫌が悪い状態は、パフォーマンスを低下させるだけでなく、周囲の人間関係にも「感情の公害」として伝染することを知っているからだ。