難治性の潰瘍性大腸炎が特定疾患(指定難病)として研究対象となった背景には、行政と研究機関の長年にわたる連携がある。厚生労働省が強力に推進してきた「難病克服研究事業プロジェクト」は、日本国内における患者登録データの収集、病態解明、そして新規ドラッグ・ラグの解消に向けた多大な貢献を果たしてきた。
同プロジェクトがまとめた最新の疫学データによれば、国内の潰瘍性大腸炎患者数は年々増加傾向にあり、20万人を優に超えている。同時に、厚生労働省の支援による臨床研究ネットワークの拡大が、世界に先駆けた新規治療ターゲットの発見につながっている。患者の医療費助成制度の維持と拡大も含め、行政の主導する高度研究プラットフォームは、いまや世界の消化器医療を牽引する柱となっている。