そもそもエグジビット10(Exhibit 10)という名称は、NBA標準統一選手契約書(Standard NBA Uniform Player Contract)に添付される「第10号添附条項」に由来する。この条項が記載された契約を結んだ選手は、秋口に行われるトレーニングキャンプおよびプレシーズン戦に参加する権利を得る。
最大の特徴は、完全な「無保証(Non-Guaranteed)」である点だ。レギュラーシーズンが開幕する直前の登録枠削減期間までに解雇されれば、球団は基本的に残りの給料を支払う義務を負わない。選手にとっては明日にも切り捨てられるかもしれない極限の綱渡りが続く。
しかし、この過酷な条件と引き換えに用意されているのが特殊な金銭的インセンティブ、いわゆる「エグジビット10ボーナス(Retention Bonus)」だ。解雇後に球団傘下のGリーグチームに加入し、一定期間(通常60日以上)留まることで、最低年俸とは別に数万ドル(労使協定改定に伴い現在は最大8万〜8万5000ドル前後)の特別給付が支給される。下部リーグで戦う選手の生活水準を考えると、このボーナスは過酷な下積み生活を支える極めて大きな生命線となる。