水素水が体に良いとされる根拠は、水素(H2)が持つ強力な抗酸化作用にある。体内の悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を選択的に除去するという理論だ。理論上は非常に魅力的に聞こえるが、現実の体内プロセスはそう単純ではない。
最大の物理的ボトルネックは、その「軽さ」と「拡散性」にある。水素は宇宙で最も小さく軽い元素だ。容器を開けた瞬間から空気中に急速に抜けていく。さらに、運良く体内に取り込めたとしても、胃酸や消化管を通過し、実際に細胞レベルで作用するほどの量が標的組織に届くのかという点については、多くの研究者が極めて懐疑的だ。