動画配信サービス業界は今、かつてない高音質化の競争を迎えている。帯域幅の最適化を図りつつ、没入感あふれる立体音響を届けるため、各社は最新の立体音響コーデックの採用を進めてきた。しかし、この急速なフォーマット進化に端末側のファームウェア追従が追いついていない。
例えば、HBO MaxやNetflixが推進するオブジェクトベース音響は、視聴者の再生環境に応じて音の配置をリアルタイムに計算する。しかし、古いHDMIケーブルを使用していたり、Appleデバイスとサードパーティ製スピーカーの連携が不完全だったりすると、音声信号のハンドシェイクに失敗し、完全な無音状態に陥る。配信技術の最前線とユーザーの生活環境の間には、目に見えない「コーデックの壁」が立ちはだかっている。