小田原は、単なるグルメの街にとどまらない。かつて戦国大名・北条早雲が礎を築き、関東を制覇するための拠点とした歴史の重みが、いまも街の至る所に刻まれている。さらに、報徳思想を掲げて農村復興に尽力した二宮尊徳の精神も、この地に根強く根付いている。
夕暮れ時、威容を誇る小田原城を散策した後に暖簾をくぐる一杯は格別だ。歴史の残り香を感じさせる古民家風の居酒屋で、炭火の香ばしい煙とともに味わうひとときは、時間を忘れるほどの深い味わいがある。歴史ロマンと旨い酒。このふたつが奇跡的に融合する場所こそ、小田原の夜の真骨頂と言える。