びわ湖花火大会を語る上で避けて通れないのが、大津港周辺の遊歩道沿いに設置される高さ約4メートルの目隠しフェンス(シート)を巡る議論です。「有料チケットを買わないと見られないようにする意地悪な囲い込みではないか」といった批判的な声がSNSや一部掲示板で拡散され、話題を呼びました。
しかし、実行委員会および警備関係者への取材から見えてくる設置の主因は、純粋な「群集事故(雑踏事故)の防止」にあります。過去の大会では、チケットを持たない数万人の観覧者が歩道やフェンス際に密集して立ち止まり、緊急車両の通行や避難動線が完全に麻痺する危険な状況が常態化していました。群集工学の観点からも、視界を遮ることで歩行者の滞留を防ぎ、人の流れを滞りなく流動させる措置は安全管理上不可欠な判断でした。
地元自治会や住民の間では、開催直後は「日常の景観が損なわれる」「街が分断されたように感じる」といった戸惑いの声が上がったものの、近年の大会運営を経て「違法駐車やゴミ放置、住宅街への無断立ち入りが激減した」と評価する声も確実に増えています。安全確保と公共空間のあり方を巡る葛藤は続きつつも、2026年現在では事故ゼロを維持するための現実的防衛策として定着しつつあります。