ハードウェアスペックと並んでプレイングに直結するのが、フォームファクター(サイズ規格)と接続方式の選定です。世界のeスポーツトーナメントにおけるプロゲーマー使用率を調査すると、フルサイズキーボードを使用する選手はごく僅かであり、大半がテンキーレス(TKL)または60%〜75%のコンパクトレイアウトを選択しています。
この偏りの理由は、マウスの可動域確保にあります。特にローセンシ(低感度)セッティングのプレイヤーは、腕を大きく振るためキーボードの右端にマウスが衝突するリスクを極端に嫌います。60%キーボードはデスクを広く使える一方で、ファンクションキーや矢印キーが独立していないため、日常のブラウジングや文字入力業務においてはキーの組み合わせ入力を強いられる不便さがあります。そのため、ゲーム専用機として割り切るなら60%、日常作業とのバランスを取るならテンキーレスが支持されています。
一方、無線ワイヤレス接続の導入については慎重な議論が続いています。近年のワイヤレス技術は有線と遜色ない超低遅延を実現しているものの、オフライン大会の会場では無数の電波が飛び交う混線リスクや、バッテリー残量管理の心理的負荷が存在します。加えて磁気キースイッチは常時センサーへの通電を要するため消費電力が高く、ワイヤレス駆動では連続稼働時間が短くなる傾向があります。確実性を最優先する現場では、有線接続の信頼性が依然として高く評価されています。