日本の教室において、漢文の学習は独自の進化を遂げてきた。外国語のテキストを翻訳しながら同時に自国語として読み下す訓読の技法は、世界的に見ても極めて特異な言語文化といえる。現在、文部科学省が推進する学習指導要領のもと、高校の国語教育では実用的な文章のみならず、古典を通じた深い論理的思考力の育成が改めて求められている。
大学入試センターが実施する大学入学共通テストでも、表面的な知識偏重から脱却し、複数の資料を照合させながら文意を正確に把握させる出題が際立つ。文脈を正しく掴むための大前提となるのが、返り点に導かれた正確な構文把握だ。NHK高校講座などの教育放送や、スタディサプリをはじめとするオンライン学習サービスの現場でも、小手先のテクニックではなく、文法構造を根底から解き明かすアプローチが支持を集めている。