ここで極めて重要になるのが、「国境線の定義」と「日本の主権に関する公式立場」です。
日本政府(外務省)の公式見解において、歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の北方四島は「日本固有の領土」であり、現在もロシアによって不法占拠されている状態と位置づけられています。この公式見解に基づいた場合、日本とロシアの正式な国境線は択捉島と得撫(ウルップ)島の間にある択捉海峡(フリーズ海峡、距離約40km)となります。
一方で、主権の主張とは別に「相手国の実効統治が及んでいる境界」を基準に置くと、納沙布岬沖3.7kmに位置する貝殻島が事実上の境界線として立ち現れます。また、北海道本土(稚内市・宗谷岬)とサハリン(樺太)の間にある宗谷海峡(ラ・ペルーズ海峡)も最短距離は約43kmにとどまり、日本の北方は私たちが想像する以上にロシアと密接に隣り合っています。