日系グローバル企業や外資系企業に勤務するビジネスパーソンを対象としたヒアリング取材(2026〜2026年実施の現場調査データ)から、日本人学習者が陥りやすい「準備する」にまつわる典型的なコミュニケーションエラーが浮き彫りになっています。
最も多く報告された失敗例は、「I will prepare the meeting.」という直訳表現です。ネイティブの耳には「会議そのものを創り出す・産み出す」という不自然なニュアンスに聞こえ、会議の趣旨が伝わりません。実際には以下のように表現すべきでした。
- 日程や参加者を調整する場合:I will organize / arrange the meeting.
- 会議室や機材を確保する場合:I will set up the meeting room.
- アジェンダや配付資料を整える場合:I will prepare the agenda for the meeting.
大手総合商社で海外プロジェクト統括を務めるマネジメント担当者は、取材に対して次のように証言しています。
「日本語の『準備』は非常に守備範囲が広く、アジェンダ作成から会場の椅子並べまで一言でカバーできてしまいます。しかし英語は『知的作業(prepare)』『人間関係の調整(arrange)』『物理・空間の構築(set up)』を明確に切り分ける言語です。ここを混同して一律にprepareと伝えると、外国人スタッフが自分の担当範囲を誤解し、当日の段取りが崩れる原因になります」
多国籍チームで円滑に業務を回すためには、単語の表面的な訳語ではなく、「誰がどの領域の行動を起こすのか」を言語化する意識が不可欠です。