『東京喰種:re』の流島作戦と並行して描かれた「コクリア防衛戦」において、有馬貴将はかつて部下であり、息子のように接していた佐々木琲世こと金木研と刃を交えます。死闘の末、最強のクインケ「フクロウ」を破壊され、敗北を悟った有馬は、金木にとどめを刺すよう促しました。
しかし、金木は殺害を明確に拒否します。戦意を失った金木の姿を見た有馬は、懐から取り出したクインケの折れた刃を自らの喉元に突き立て、頸動脈を切り裂いて自決を遂げました。なぜ、彼はこれほど無残な形で命を絶たなければならなかったのでしょうか。その理由は大きく分けて3つ存在します。
- 「有馬貴将を討ち取った」という象徴の確立:喰種たちを統率し、CCGと対峙する新たなリーダーを生み出すには、「無敗の死神・有馬を殺した喰種」という絶対的な名声が必要不可欠でした。
- 尽きかけていた肉体のタイムリミット:半人間としての寿命が尽きかけており、生き延びたとしても残された時間はわずかでした。自身の死期を悟っていたからこそ、自らの命を最大のレバレッジとして金木に託す道を選びました。
- 「奪うだけの人生」からの解放と創造:喰種を殺処分し続ける道具として生きてきた有馬は、内心で深い自己嫌悪と罪悪感を抱えていました。死の間際、彼は金木にすべてを打ち明け、安らかな表情を浮かべます。
死の直前に有馬が遺した「ずっと…嫌だった 奪うばかりの自分が…ようやく 何か遺せた…」という魂の叫びは、読者の涙を誘う屈指の名言として語り継がれています。