公道上で「プロの運送車両」として活動する車両には、自家用とは異なる専用カラーが割り当てられています。登録自動車(普通車・中型・大型車)の事業用は「緑ナンバー」、軽自動車の事業用は「黒ナンバー」です。
緑ナンバー:厳しい許認可と安全管理が義務付けられたプロの証
緑ナンバーを取得するには、国土交通省の地方運輸局から「一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー)」や「一般貨物自動車運送事業(トラック運送)」の許可を受ける必要があります。これには以下の極めて厳しい要件が課されます。
- 一定数以上の車両保有台数(トラック事業の場合は原則5台以上)
- 運行管理者および整備管理者の国家資格保持者の配置
- 運転者の健康状態やアルコール検知器を用いた厳格な点呼の実施
- 車検期間が自家用の2年間(初回3年)に対し、事業用は毎年1年ごとの車検が義務付け
緑ナンバーを装着せずに自家用車(白ナンバー)で有償の送迎や荷物運送を行う行為は、道路運送法第4条・第78条に違反する「白タク」「白トラ」行為として厳罰(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方)の対象となります。
黒ナンバー:軽貨物運送業の急伸と個人事業主の参入ルート
一方、黒地に黄文字の「黒ナンバー」は、軽自動車を使用して運賃を得る「貨物軽自動車運送事業」専用のプレートです。緑ナンバーに比べて参入ハードルが低く設定されており、Amazon Flexや出前館、ヤマト運輸・佐川急便などのラストワンマイル配送を担う個人事業主(ギグワーカー)に広く普及しています。
【黒ナンバーの取得要件と手続きの流れ】
- 車両の確保:軽バン(商用4ナンバー)が主流。2026年の法改正により、一般的な軽乗用車(5ナンバー)でも構造変更なしで黒ナンバーの取得が可能となった。
- 運輸支局への届出:管轄の運輸支局輸送窓口へ「貨物軽自動車運送事業経営届出書」「運賃料金設定届出書」等を提出し、事業用連絡票(届出済印が押印された書類)を受領する。
- 軽自動車検査協会での番号変更:受領した連絡票と車検証を持参し、黄色のナンバープレートを返納して黒ナンバーの交付を受ける(即日交付可能、手数料は約1,500円〜2,000円程度)。
黒ナンバー車両は手軽に取得できる反面、自家用軽自動車に比べて任意保険料(事業用自動車保険)が2倍〜3倍程度高額になるという経済的実態があります。事故率の高さから保険引受条件が厳格化されているため、参入時の資金計画には注意が必要です。