旅行予約サイトで検索しても空室が出てこないことから、「鶴の湯温泉は予約が取れない」という噂が定着しています。しかし、その真相は大手OTA(ネット予約サイト)に枠を出さず、昔ながらの電話受付を中心に運営しているという宿の方針にあります。
鶴の湯温泉の予約はいつから始まるのかというと、宿泊希望日の「半年前の毎月1日」の朝7時から一斉に電話受付が開始されます(例:10月中の宿泊なら4月1日受付開始)。特に人気が集中する茅葺き屋根の「本陣」は客室数が限られており、受付開始から数時間で休前日を中心に満室となります。
鶴の湯温泉の予約のコツと理由として、現地常連客や旅行デスクへの取材から判明した実践的テクニックは以下の3点です。
- 平日日程の複数候補を用意する:休前日や紅葉シーズン(10月中旬〜下旬)、雪見風呂のハイシーズン(1月〜2月)の土曜日は回線がパンクします。火曜〜木曜の平日を第1〜第3希望まで決めて挑むのが鉄則です。
- 受付開始日の13時〜15時を狙う:朝一番はリダイヤルが集中しますが、昼過ぎには回線が落ち着き、平日の空室確認や予約がスムーズに通る確率が格段に上がります。
- 別館「鶴の湯 別館 山の宿」を狙う:本館から約1.5km手前にある別館「山の宿」は、鶴の湯から引湯した温泉と全室囲炉裏付きの快適な客室を備え、一部の旅行サイトやネット予約に対応しています。山の宿の宿泊者は、本館の温泉にも無料で自由に入浴できるため、予約難易度を下げる賢い選択肢となります。
実際に鶴の湯の本陣宿泊記を振り返ると、客室に足を踏み入れた瞬間に広がる炭の香りと、囲炉裏端で焼き上げられる岩魚の塩焼き、名物の「山の芋鍋」を味わう時間は、現代のラグジュアリーホテルでは決して味わえない唯一無二の体験です。テレビも時計もない静寂のなかで、ランプの灯りと薪の爆ぜる音に包まれる一夜は、電話争奪戦をくぐり抜ける価値が十分にあります。