イベント情報や会場公式サイトに記載されている「定員」をそのまま信じて会場に足を運ぶと、実際の客席数とのギャップに戸惑うことがあります。国立代々木競技場第一体育館のスペックを正しく理解するには、「施設上の最大収容人数」と「興行形態ごとの実質動員数」の構造的違いを把握することが欠かせません。
公的データおよび日本スポーツ振興センター(JSC)の仕様書によると、代々木第一体育館の固定座席数はスタンド席で約8,636席(1階スタンド約3,178席、2階スタンド約5,458席)です。アリーナフロアに可動席や仮設パイプ椅子を最大限敷き詰めた場合、施設全体の最大収容人数は13,243席(立ち見を含めると最大14,000人規模)に達します。
しかし、近年の音楽コンサートにおいてこの最大値が適用されるケースは極めて稀です。大型LEDスクリーン、照明トラス、メインステージ、音響卓(PA席)を配置する関係上、ステージ裏となるスタンド席やアリーナ後方の一定区画は物理的に座席が潰される(いわゆる「機材・演出による見切れ席・デッドスペース化」)ためです。標準的なエンドステージ構成の場合、実質的な動員数は約9,000席から10,500席程度に落ち着くのが業界の定説となっています。