ネット上の情報や個人のブログ記事には、制度を曲解した誤った言説が散見されます。読者が不利益を被らないよう、代表的な2つの誤解について真相を検証します。
誤解1:「2年前納をすると将来受け取る年金額自体が増額される」
これは完全に事実無根の誤解です。国民年金の2年前納によって得られるメリットは、「支払うべき保険料の総額が割り引かれること」のみです。納付記録としては「24カ月分を正常に納付した」と処理されるため、将来65歳以降に受給できる老齢基礎年金の給付月額は、毎月コツコツ納めた場合と1円たりとも変わりません。給付額の増加を期待してまとまった資金を投じるのは制度の取り違えです。
誤解2:「クレジットカード決済にすればポイント還元で口座振替より絶対にお得になる」
前述の通り、キャッシュレス決済事業者による公金収納ポイントの改定により、この定説は崩壊しました。例えば、通常のショッピング還元率が1.0%の主要クレジットカードであっても、国民年金保険料の納付に対しては「ポイント付与対象外」または「0.2%〜0.5%に半減」されるケースが相次いでいます。仮に42万円の決済で0.5%還元にとどまる場合、付与ポイントは約2,100円相当です。口座振替の割引額(約1万6,000円)とクレジットカード前納の割引額(約1万4,000円)の差額約2,000円を辛うじて埋める程度に過ぎず、「ポイント大量獲得で爆発的に得をする」というシナリオは過去の遺物となっています。