知恵袋や大手掲示板、X(旧Twitter)などの患者コミュニティを定点観測すると、脂漏性皮膚炎が長年治らない人たちには共通した行動パターンが存在することが浮き彫りになります。
最も目立つ失敗例が、「ネット上の民間療法への傾倒」です。「ホホバオイルパックで角栓を溶かす」「塩シャンプーや湯シャンで頭皮をリセットする」「酢水でリンスする」といった個人の体験談を真に受けた結果、オイル成分がマラセチア菌の格好のエサとなって大爆発を起こし、頭皮一面が黄色いかさぶたで覆われて救急受診するようなケースが報告されています。油分を与える行為は、マラセチア菌に対してガソリンを注ぐようなものです。
また、皮膚科医への取材現場からは次のような生々しい証言も聞かれます。
「患者さんの8割は、ステロイド外用薬を3日ほど塗って痒みが引くと通院をやめてしまいます。しかし、角質層のバリア機能が修復されるには最低でも数週間から1ヶ月のターンオーバーが必要です。火種が残った状態で薬をやめ、再び爪でかさぶたを剥がして元の木阿弥になる。この繰り返しが難治化の最大の正体です」(都内皮膚科専門医)
完治に成功した元患者たちの手記に共通しているのは、「自己流の工夫を一切捨て、医師の処方計画を忠実に守った」「かさぶたが気になっても爪を切って絶対に触らない環境を作った」という、極めて地道で規律ある治療態度です。