なぜこの4つの語が古典学習で重視されるのか。理由は複数ある。
第一に、出現頻度の高さだ。特に「あり」「はべり」は平安文学のあらゆる場面に登場する。これらを正確に理解できなければ、文章の基本的な意味すら掴めない。
第二に、他の文法要素との結びつきだ。「あり」は断定の助動詞「なり」「たり」の成り立ちに関わり、「はべり」は敬語表現の核心を成す。古典文法全体の理解につながる重要な結節点なのだ。
第三に、音便との関係がある。「ありて」が「ありて→あって」と変化するように、これらの語は音便現象の典型例を提供する。日本語の音韻変化を学ぶ上で欠かせない教材となっている。