『デスノート』における最初の犠牲者は、保育園に立てこもっていた凶悪犯の音原田九郎(おとはらだ くろう)です。夜神月はテレビの生中継を見ながら半信半疑で音原田の名前を書き、心臓麻痺で死亡させました。
しかし、当時の月は「持病の心臓発作がたまたま重なっただけの偶然ではないか」という強い疑念を抱いていました。国家の治安に関わる重大事件の人質犯が急死したとはいえ、一度の事象ではノートの魔力を科学的に証明できたとは言えなかったのです。
そこで月は、以下の2つの仮説を検証するために第二の標的を求めました。
1つ目は、「自分の目の前で、即座に効果が発動するかどうか」。2つ目は、「死因を指定した場合に、その通りの状況が物理的に再現されるかどうか」です。
路上で通行人の女性を取り囲み、卑劣な言葉で脅迫していたシブタクの姿は、冷徹な観察眼を持つ月にとって「万が一死んでも社会に害のない悪人」かつ「今すぐ実験を行うのに最も都合の良い被験者」と映ってしまいました。知的好奇心と歪んだ正義感が交錯した結果、シブタクは運命の標的に選ばれることとなったのです。