現在のように高度な受け答えができるAIは、一朝一夕で誕生したわけではありません。過去数十年にわたり、大きな期待と失望(冬の時代)を繰り返しながら進化を遂げてきました。
第1次AIブーム(1950年代〜1960年代)は「推論と探索」の時代です。迷路の解法やチェスといった明確なルールが存在する特定の問題(トイ・プロブレム)を解くことに成功したものの、複雑な現実世界の課題に対応できず一度目の冬の時代を迎えます。
続く第2次AIブーム(1980年代)は「知識(エキスパートシステム)」の時代でした。医師の診断や法律判断など、専門家の知識やルールをコンピューターに大量にインプットする試みが進みました。しかし、例外処理の多さや知識を手動入力する膨大なコストが壁となり、再び熱気は冷め込みます。
そして第3次AIブーム(2000年代以降)を牽引したのが、インターネットの普及に伴う「ビッグデータ」の蓄積と「ディープラーニング」の実用化です。コンピューターの計算能力が飛躍的に向上したことで、画像認識コンテストでの圧倒的な勝利や、囲碁のトッププロへの勝利など、かつて不可能とされていたブレークスルーが次々と起こりました。