東幹久という男のストーリーは、原宿でのスカウトから始まる。だが、その直前の彼は、誰もが羨むような優等生では断じてなかった。
10代後半の彼は、当時若者文化の暴風圏だった渋谷・原宿界隈で知らぬ者のないほどの名物男。いわゆるチーマー文化やヤンキーカルチャーが渦巻くストリートで、その抜きん出たルックスと度胸で異彩を放っていた。まさに野良犬のような尖ったオーラ。それがスカウトマンの目に留まり、モデル、そして俳優への道が開かれたのだ。整いすぎた顔立ちの裏に見え隠れするアウトローの気配—それこそが、同年代のタレントたちと一線を画す最大の武器となった。