日本犯罪史に刻まれた「首都圏連続不審死事件」の真相は、周到に仕組まれた金銭搾取と完全犯罪の企てでした。
2009年8月、埼玉県富士見市の駐車場に止められたレンタカー内で、当時41歳の会社員男性が練炭による一酸化炭素中毒で死亡しているのが発見されたことから捜査が本格化しました。捜査線上に浮かび上がったのが、直前まで男性と一緒にいた木嶋佳苗です。
捜査が進むにつれ、彼女と交際していた千葉県の70歳男性、東京都の53歳男性が同様に不審な死を遂げていたことが判明します。彼女の手口は、婚活サイトで「吉川桜」などの偽名を使い、結婚を強く望む男性に接近することから始まりました。複数の睡眠導入剤をひそかに摂取させて意識を失わせ、練炭を焚いて自殺や事故に見せかけるという極めて冷酷な手法でした。騙し取った金額は確認されただけでも1億円以上にのぼり、その大半は高級ホテルでの宿泊、高級外車、ブランド品の購入などに費やされていました。